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【新人ガイド必見】全国通訳案内士団体とは?新人研修には参加すべきか?

「通訳案内士試験に合格したけど、次どうすればいいかわからない」

そんな方も多いと思います。

試験に合格すれば、どんどんお仕事をすればいいわけですが、ではどうやってお仕事を獲得すればいいのかわかりませんよね。

幸運にもお仕事を貰えたけれど、自己流でやってみたらお客さんにもエージェントさんにも満足してもらえなかった。

それでは次に続きません。

お金をもらってお仕事をすると言うことはお客様、エージェントさんなどお仕事を依頼してくれる方達の期待に添わなければいけません

何をどこまで、そのレベルですることを求められているのかが分からないと独りよがりになってしまいます。

準備をしなければいけないのはガイディングの内容だけではありません。プロのガイドとしてやっていく心構えは実際のガイドさんに聞くのが一番でしょう。

とはいっても普通はガイドさんの知り合いなんていなかなかいないのではないでしょうか?

そういった人のために各通訳案内士団体は新人ガイドが仕事を始めるまでにする準備や心構えを学べる研修会を行っています。試験に合格したらガイド団体の新人研修会に参加することをお勧めします。

そうすることで準備の仕方が数段良くなります。

また新人の時がお仕事を教えてもらうチャンスです。一旦稼働し始めたらみんなライバルですし、そう簡単にノウハウは教えてもらえません。

通訳案内士団体に所属する意義

全国通訳案内士は基本フリーランスのお仕事です。一人でお仕事をしますので、やはり不安もあります。

他のガイドさん達はライバルでもありますが大切な仲間でもあります。

ガイド仲間は仕事を通じて増えていきますが、新人ガイドにとってはガイド団体に所属することで多くの出会いがあります。

新人の頃は学ぶことが沢山ありますので、ガイド団体から受ける恩恵は沢山あります。だんだん経験値が上がってくることによって、今度は色々なことを伝える側になっていきます。

そうやってガイドの輪がひろがっていきます。

またよほど重要な情報は観光庁から封書などで届きますが、細かい情報は通訳案内士団体を通じて知ることが多いです。

そしてガイドの声を観光庁や国に届けるのも団体のできる大きな仕事です。

コロナ禍では各団体ガイドの現状を国会に届ける役割を果たしています。

全国通訳案内士の団体の種類

観光庁の通訳ガイド制度の紹介ページにいくつか団体のリストが載っています。

通訳ガイド制度 | 国際観光 | 政策について | 観光庁 (mlit.go.jp)

このリストは何かというと、観光庁に登録している観光庁研修を実施する機関のリストです。

2018年1月4日の全国通訳案内士法の改正で通訳案内士の資格は更新制になりました。

そのため観光庁に登録した機関で5年ごとに更新研修を受けなければいけません。こちらに載っている団体や企業では必要な講義や講師を準備して登録し研修を実施しています。

こちらのリストには通訳案内士団体、通訳案内士試験対策予備校、ツアー会社なども含まれていますのですべてがガイド団体ではありませんが、このリストに記載の団体は観光庁にも認めらている機関です。

新人研修を受講するのであれば、ガイドをこの時期だけ雇って講師をやらせているような旅行会社や学校などではなく、通訳案内士の同業団体がやっている研修をお勧めします。

そのような通訳案内士団体の研修に出てくる講師は、皆さん同業者に認められた現役のガイドさん達だからです。

さて通訳案内士の団体は主に以下の組織に分類できます。

全国組織の通訳案内士団体

これらの団体は全国に会員がいますし、多言語のガイドさんが所属していますので、その情報収集力や影響力も高いです。会員数も多いですので研修や交流なども豊富です。

該当するのは以下の団体です

JGA 一般社団法人日本観光通訳協会(jga21c.or.jp)

【JFG】協同組合 全日本通訳案内士連盟(Japan Federation of Certified Guides)

GICSS(通訳ガイド&コミュニケーション・スキル究会)

IJCEE新日本通訳案内士協会/日本文化体験交流塾 - 日本文化体験交流塾 (ijcee.jp)

地域組織の全国通訳案内士団体

ある一定の地域に根付いた団体です。比較的小規模ですが、会員同士の結び付きが強いです。

規模が小さいため観光庁研修の登録機関にはなっていないところも多いです。

以下のような団体が該当します

一般社団法人 九州通訳・翻訳者・ガイド協会 (k-itg.or.jp)

Fygia| 一般社団法人富士の国やまなし通訳案内士会(fygia-japan.com)

HoTGIA 北海道通訳案内士協会 Hokkaido Tour Guide-Interpreter Association

FUSION ふじのくに静岡通訳案内士の会 (fusion-guide.org)

一般社団法人 ひろしま通訳・ガイド協会 (j-higa.net)

などです。

言語組織の全国通訳案内士団体

言語単位で組織されている団体です。

その言語ならではの特徴がありますので、同じ言語の仲間を見つけられるのは心強いですね。

一般社団法人 日本中国語通訳案内士協会 - Chinese Language Guide-Interpreter Association, Japan (cga-japan.org)

上記のような分類になります。

他にもあるかもしれませんが私が活動していると認識している団体を中心にご紹介しています。

各団体は仲が悪いわけではありませんので掛け持ちも可能です。

もちろん会費もそれだけかかりますが。色々顔を出してみて気が合う仲間を見つけられたところに残るのがいいと思います。

全国組織と地域組織、全国組織と言語組織と組み合わせて所属している人もいますし、全国組織に2つ所属している人もいます。

全国通訳案内士の新人研修の受講は必要か?

各団体新人合格者や、経験の浅いガイド向けの新人研修を、毎年の合格発表から春の繁忙期を迎える前ぐらいの時期に実施しています。

なんだか金額も高いし本当に必要なの?と疑心暗鬼になっている人もいると思います。

もちろんガイドは個人事業主ですので、ご自身の判断になりますが、ガイド界で生き残っていきたいならライバル達に差をつけていくことが必要ではないでしょうか。

全国通訳案内士は資格に合格すれば、即戦力であることを求められます。

下手をすれば(ラッキーであれば!?)最初のアサインで一週間のツアーをいきなり任されてしまうかもしれません。

ガイドの仕事は「話すこと」だけだと思っているかもしれませんが、実際にはツアーを安全に、予定通りに運行する添乗員の仕事も兼ねています。これが上手く行かないと折角のツアーも台無しになってしまいます。

語学に優れている人でもなかなか旅行業や添乗員を経験したことがある人は多くないのではないでしょうか?旅行業には独特のルールが沢山あります。

よくわからないのに無理をして仕事を受けてしまうと、信じてくれたエージェントさんや客様に迷惑をかけてしまいます。

そして厳しいプロの世界では一度失敗してしまうと次の依頼は来くなってしまうかもしれません。

そうならないためにも万全の準備をしてツアーに臨みたいところです。

基本的に多くの旅行会社では新人ガイドに手取り足取り色々教えてくれることはありませんので自分で準備することが必要です。

めったにはありませんが稀に新人ガイドは必ず先輩ガイドのツアーに試乗させるという旅行会社もあります。そういった場合はOJTを通じてガイドデビューの経験が積めます。

ただしそのような場合も試乗時はタダ働きだったり、お金を払って試乗させてもらうこともあります。

その会社独自の研修はその会社でしか通じない場合もあります。例えば自分の会社のウォーキングツアーをやるための研修などです。そのようなものでも良い経験にはなります。でも学ぶ内容は具体的にお金の支払い方や緊急時の対処方法などの社内ルールだったりして、そのルールは他社では何の役にも立たない場合もありますので注意が必要です。

新人研修は総じて6万~10万円もしますので、ぼったくられていると感じてしまう人もいると思います。

私は2団体で関東・関西と新人研修を受けました。金額にすると十数万はかかりました。勤めていた仕事をすでにやめていた私には痛い出費ではありましたが、この世界で生きていくという強い気持ちがありました。結果新人研修では仕事のノウハウを沢山学べて、多くの仲間に出会えました。

その後新人研修を受けたことで信頼を得てすぐにお仕事をもらってスムーズにガイドデビューできました。

もしみなさんが新人研修の費用に躊躇しているのであれば先行投資だと思って下さい。

私も初月から多くのアサインをもらったわけではありませんが、3か月ほどで投資回収できました。新人研修のおかげで大きな失敗をすることもなく順調に信頼を得て、その時にお仕事をいただいた旅行会社さんとは現在まで続く長期のお付き合いにつながっています。

ちなみに新人研修の費用は確定申告で経費計上できます。

通訳案内士の新人研修では何を教えてくれる?

各団体違いがありますが

1. ガイディングの内容やヒント

2. 通訳案内士に期待されている旅程管理

3. 外国人観光客の接客に関する知識

4. 仕事の獲得の仕方

5. 同期ガイドとの交流

などの内容が期待できます。

JGA 一般社団法人 日本観光通訳協会

英語名JGA Japan Guide Association
日本語名一般社団法人 日本観光通訳協会
設立1940年
会員数805名(2021年6月末現在)
会員種類全国通訳案内士のみ
(理事には旅行会社、ホテル、通訳エージェントなどからの役員を受け入れています)
会費入会金:15000円
年会費:15000円
仕事紹介無料紹介
通訳案内士と仕事を依頼する企業側、両者からとも紹介料は取っていません
特徴もともとは国土交通省と日本交通公社が作った通訳案内士を育成するための団体で、日本で一番歴史のある団体です。現在はそのような役目を終え、他の通訳案内士団体と同じく、広く通訳案内士業界全体の発展と会員技術と地位向上、仕事確保に力を入れています。仕事紹介が無料なのが他の団体に無い特徴です。
所在地〒101-0024
東京都千代田区神田和泉町1-6-1
インターナショナルビル603号室
03-3863-2895
ホームページJGA 一般社団法人日本観光通訳協会 オフィシャルサイト (jga21c.or.jp)

2022年度 JGA 一般社団法人 日本観光通訳協会 新人研修会

日程が変更になりました!

関東

:2月23日(水・祝)~2月28日(月) 5日間

※27日の鎌倉研修はオプション

→3月25日(金)~3月29日(火)+3月30(水)の鎌倉ウォーキング研修オプションあり

申込受付3月18日(金)13:00まで

関西

:全4日間 3/2関西:3月5日(土)~3月9日(水) 4日間

※3/9の嵐山研修はオプション

→4月2日(土)~4月5日(火)+4月6日(水)の嵐山ウォーキング研修オプションあり

申込受付3月25日(金)13:00まで

座学研修とバス研修で一気に連日で行うのが特徴です

講義はすべて日本語ですので、どの言語のガイドさんも参加できます。

今年はオプションでウォーキングツアー研修があります。

他団体との大きな違いはエージェントさん(旅行会社さん)との名刺交換会があること。

詳しくはこちらから

通訳ガイドになりたい方へ  新人ガイド研修案内|JGA 一般社団法人日本観光通訳協会 (jga21c.or.jp)

JFG 協同組合 全日本通訳案内士連盟

英語名JFG Japan Federation of Certified Guides
日本語名協同組合 全日本通訳案内士連盟
設立1982年
会員数約1000名
会員種類全国通訳案内士のみ
会費入会金:7000円
出資金:20000円(退会時に返金)
賦課金:20000円(年会費に該当)
仕事紹介仕事紹介あり
売上の一定割合を会に納入
特徴通訳案内士が通訳案内士の地位向上のために作った団体で同業者同士の事業協同組合という形を取っている組織です。
そのためガイドで食べていくという意識の高い人が多く所属しています。会の運営は通訳案内士自身で行われていますので会の運営に一定の貢献が求められます。
所在地〒164-0001
東京都中野区中野2-29-7 はとやビル5F
電話番号TEL 03-3380-6611
ホームページ【JFG】協同組合 全日本通訳案内士連盟(Japan Federation of Certified Guides)

2022年度 JFG 協同組合 全日本通訳案内士連盟 新人研修会

日程が変わりました!

東日本地区2/18(金)、19(土)、20(日)、26(土)、27(日)の5日間

→3月13日(日)、19(土)、20(日)、21(月・祝)、26(土)

申込期限:3月12日(土)15:00

西日本地区2月6日(日)、11日(金)、12日(土)、13日(日)、15日(火)の5日間

→4月10(日)、15(金)、16(土)、17(日)、19(火)

申込期限:3月31日(木)21:00

オンライン講義とバス研修の組み合わせで行います

日本語バスと英語バスがありますが

講師が英語で案内をする英語バスが例年人気です

詳しくはこちらから

新合格者研修会 (jfg.jp)

GICSS  NPO法人 通訳ガイド&コミュニケーション・スキル研究会

英語名GICSS Guide Interpreting &Communication Skill Studies Association
日本語名NPO法人 通訳ガイド&コミュニケーション・スキル研究会
設立2005年10月17日
(前身の任意団体GICSS研究会は、1999年10月1日設立)
会員数458名(2021年1月末現在)
会員種類「この法人の目的に賛同して入会される個人」
ということで全国通訳案内士を中心に資格が無いかたの入会も可能です
会費入会金:15000円
登録費:3300円
年会費:15000円
仕事紹介仕事紹介は派遣会社ランデルズを通じて
特徴通訳案内士業界では著名なランデル洋子氏と松岡明子氏が設立し、運営している団体です。会員同士で切磋琢磨し、明るく楽しくガイディングをする技術を磨いています。お仕事紹介は派遣会社のランデルズを通じて行われます。
所在地〒164-0001
東京都中野区中野2-29-7 はとやビル5F
電話番号TEL 03-3380-6611
ホームページGICSS(通訳ガイド&コミュニケーション・スキル研究会)

2022年 GICSS 通訳ガイド&コミュニケーション・スキル研究会 新人研修

東京は3月、4月、大阪は5月 各4日間の日程です

土日を中心にZoomと実地、バス研修をミックスして行います。

また時期をずらして6月9月にも研修を行っていますので、時期を逃してしまった方もチェックしてみましょう。

詳しくはこちらから

GICSS(通訳ガイド&コミュニケーション・スキル研究会) | 新人研修案内

IJCEE 日本文化体験交流塾

英語名IJCEE   Institute for Japanese Culture Experience and Education
日本語名日本文化体験交流塾
設立2008年8月6日
会員数約1800名(2019年7月1日時点)うち、通訳案内士約1500名
会員種類全国通訳案内士
資格勉強中でも入会可
会費入会金:5000円
年会費:10000円
仕事紹介True Japane Tourを通じて派遣契約で紹介
特徴東京都職員出身の米原亮三氏が立ち上げた異色の団体。設立当初から通訳案内士の仕事を作って行くことに長けていて、自身の旅行会社True Japan Tourではオリジナルツアーを多数販売。また会社組織を生かした営業力が強い。最近は会員数も多いので仕事が全員に行きわたりずらいとの声も。
所在地〒105-0011 東京都港区芝公園3-5-8 機械振興会館 本館B109
電話番号03-6432-0192
ホームページ新日本通訳案内士協会/日本文化体験交流塾 - 日本文化体験交流塾 (ijcee.jp)

2022年 IJCEE 日本文化体験交流塾 新人研修

関東コース:2月26日(土)、27(日)、3月4日(金)、5(土)、6(日)

関西コース:6月2(木)、3(金)、4(土)、5(日)、6(月)

座学とバス研修の組み合わせです

関西研修は遅めの6月開催です。

詳しくはこちら

通訳案内士 新人研修 関東/関西/中部 - 日本文化体験交流塾 (ijcee.jp)

まとめ

今回ご紹介したのは全国組織の通訳案内士団体ですが、各地域や言語に特化した団体でも、新人研修は行われています。

試験にはごうかくしたものの、右も左もわからないという方は、まずガイド団体の門をたたいて、この後どうすればいいのか情報収集をしてみましょう。

実際に全国通訳案内士として活躍している先輩たちの話を聞くのが一番の近道です。

2023年(令和5年)全国通訳案内士新人研修はどこがおすすめ?各団体の比較まとめ (tourguidetokyo.com)

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