個人事業主としてお仕事を始めるにあたって、領収書をもらって保管することは大事になります。
またご自身が事業主となりますので領収書や請求書を発行する機会も多くなると思います。
こちらでは領収書や請求書の貰い方と書き方の注意点などのお話します。
自分が領収書を受け取る場合
まず宛先は上様ではなく屋号がいいでしょう。また個人事業主ですので最終的には個人名で確定申告しますので個人名でも大丈夫です。
必ずしも領収書でなければいけないわけではありませんので、レシートでも構いません。ただしレシートも後で確認すると店名や日付が入っていないものもありますので、その場で確認しメモを取るなどしておきましょう。
またレシートが無い取引の場合は銀行の通帳やクレジットカードの支払い記録でも支払いの証明ができます。
また領収書も出ずに現金で支払った場合は何も記録が残りませんので、出品伝票を書いたうえで詳細な記録を残しておきます。
このあたりの何が大丈夫で何がダメかというのは、会社員であれば経理の人に認めてもらえるかだと思います。
しかし個人事業主にとって大事なのは税務署に認めてもらえるかどうかということになりますので、やましいことが無ければきちんと説明、証明できるように記録を残しておきましょう。
出品伝票もあまりに回数や金額が大きければ当然疑われます。疑いを晴らせなければ認められませんので、できるだけきちんと証明できる客観的な書類などがあった方が良いです。
また接待交際費などは一緒の食事した相手や接待した相手の名前なども領収書やレシートの裏に書いておきましょう。
受け取った領収書は保管義務があります。帳簿に記入した後もノートに貼ったりして綺麗に保管しましょう。
税務調査の時に提示が必要となりますので、一年分まとめてどさっと保管するのは良くないです。日付順にしてせめて月ごとに分けましょう。
自分が領収書を発行する場合
ご自身が領収書を発行する場合は、相手の方が経理や税務署に疑われて困らないようにきちんと必要事項を記入しましょう。
宛先、金額(消費税の内訳)、商品名、日付、発行者の情報(住所と店名、屋号、氏名など)、偽造されやすいものには押印を。
文房具店や100円ショップなどで買える市販の領収書で構いません。一枚のものでも複写式のものでも大丈夫です。
一枚のものだと記録が残りませんので、後日問い合わせが来たときに困るかもしれません。不特定多数の方に領収書を発行し記憶が曖昧になるような場合は複写式のがいいでしょう。
また特定の取引と照らし合わせられるように管理番号を付けるのもいいでしょう。
領収書の発行件数が多けれ発行者情報の記入はゴム印で対応するのも考えましょう。
またパソコンで作成しプリントしたものにハンコを押すだけでも大丈夫です。押印は必須ではありませんのでメールで電子的に送信しても構いません。
5万円以上の領収書を紙で作成する場合は収入印紙を添付の上割り印が必要になります。
記載金額 | 税額 | |
---|---|---|
5万円未満のもの | 非課税 | |
5万円以上 | 100万円以下のもの | 200円 |
100万円を超え | 200万円以下のもの | 400円 |
200万円を超え | 300万円以下のもの | 600円 |
300万円を超え | 500万円以下のもの | 1,000円 |
500万円を超え | 1,000万円以下のもの | 2,000円 |
ただしのこの収入印紙も書面を作成した時に課税されるものなので、領収書を電子的に発行したり、クレジットカードで受領した場合などは課税対象になりません。クレジットカードで受領して領収書を発行する場合は、クレジットカード払いの一文を添えましょう。
請求書の発行
お仕事をして現金で受け取るのであれば、その場で領収書をお渡しして受領することになると思いますが、後日払振込などの場合は請求書を発行してくださいと言われると思います。
その会社の特定のフォームがあり、こちらに記入してくださいと言われる場合もあれば、何も指定が無い場合もあります。
初めてだとどうしていいかわからないと思いますが、市販の手書きのものを使ってもいいでしょうし、インターネットで検索してWordやExcelで使える請求書テンプレートをダウンロードして使っても良いと思います。
またFreeeなどの会計ソフトには請求書発行機能がありますので、それを利用してもいいでしょう。
請求書には相手の社名、住所、(担当者の部署と氏名)
自分の屋号または名前、住所、電話、メールなど
商品やサービスの明細
金額
消費税内訳
振込先の口座情報
などが必要です。
こちらに例を載せておきます。
①会社名、必要に応じて部署名、担当者名を入れるといいでしょう。
初めてのお取引あいてでしたら、どこ宛の領収書がいいか先方に確認するといいでしょう。
ただ○○株式会社○○様だと、その担当の方個人への請求書みたいですよね。
個人名を入れる場合は、○○株式会社 ご担当○○様のような形がいいと思います。
②請求番号はご自分の参照用ですので好きに付けて下さい。
私は年+その年の通し番号にしてます。ファイルは会社と仕事名で保存してるのでこの番号は全く使ってません。21001は2021年の001番の領収書という意味です。
会社ごとに違うアルファベットを付けて管理してもいいでしょう。
③具体的な案件名があるなら○○プロジェクトのご請求とかでもいいでしょう。
④住所と氏名(屋号)連絡先。必要に応じて押印です。
この請求書のクライアントさんは押印の上、原本郵送が社内ルールですのでそうしてます。メール添付でもいい会社さんの場合は加工できないようにpdfにして送信すればいいです。
⑤こちらのお仕事は通訳料+交通費実費支給という契約でした。
⑥公共交通機関の運賃は通常税込みですので消費税2重請求しないように注意です。
⑦ご自身の口座を記入します
最後に
請求金額が大きいものがなかなか支払われないと事業の運営にも支障をきたしますので入金されたかはきちんと確認しましょう。
下請代金支払遅延等防止法では代金の支払いは60日以内にしなければならないことになっています。
下請けの仕事は立場が弱いですが、様々な法で守られていますので、支払いの遅延や割引の強要、消費税分の未払いなど不当な取引がありましたら、公正取引委員会で相談を受け付けてくれます。