今回は通訳案内士と副業ということでお話をします。
全国通訳案内士が本業で他の副業をしている方と、本業をしながら副業で通訳案内士をしている方と2パターンがあると思います。
私は本業で全国通訳案内士をしながら副業をしているパターンです。私自身とガイド仲間の例を参考にどのような働き方があるのか検証したいと思います。
本業があり全国通訳案内士を副業でする
本業があり副業でガイドでしたいという人はこのような感じが多いと思います。
- 現在フルタイムで会社勤めをしている方が、週末だけの副業としてガイドを考えてる
- そろそろ定年退職なので、定年後はガイドを少しやってお小遣いを稼ぎたい
- 小さい子供がいるので週末だけガイドをやりたい
この記事を読んでいる方の中にもこのパターンに当てはまる人は多いのではないでしょうか?
実際のところ、ガイドは旅行客がいて初めて成立するお仕事ですので、自分の働きたいときにスキマ時間で働くなどという働き方は難しいです。
やはりお客様の都合に合わせられるガイドに優先的に仕事が行きます。
また本業でガイドしている方は土日だけ休みたいという働き方をしている人はほとんどいませんので、土日に特に人が必要なわけではありません。
特定の曜日や時間しか稼働できない方はそれだけで不利な状況です。
かといって週末だけの仕事がないわけではありません。
副業でガイドをしたい人は多いわりに、パイが少ないので、どうやって自分のポジションを確保できるかが成功のカギだと思ってください。
稼働条件も土日だけという曜日限定ではなく、曜日は何曜日でもいいから週2回程度稼働とするだけで、仕事のマッチングのチャンスは広がります。
また本業のガイドがやらないようなスキマの仕事を積極的に引き受けれれれば、さらに稼働できるチャンスは増えるでしょう。
全国通訳案内士が本業で他に副業を持つ
通訳案内士が本業であれば、ロングツアーにも出られます。
通訳案内士を本業にするに当たっては、このロングツアーに出られるかどうかが重要です。
一週間のロングツアーを一本やれば20万円程度の売り上げが確保できます。
それを何十本か確保することで年収のベースが出来上がります。
通訳案内士を本業でやりつつ、副業で他の事をやるのであれば、本業のスキマに入れられる副業をするのがカギとなります。
またロングツアーに出なくてもスケジュールが全て空いているガイドであれば、日帰りや2~3日のツアーもアサインしやすいので、「依頼がしやすいガイド」になります。
ツアーの取扱量が多いエージェントさんと契約をして、スケジュールを全部預けるのも手です。
私は一つのエージェントさんとだけ取引するのはリスクが高いと思っていますが、親密なお付き合いをするのも差別化の一つです。
さて副業について見てみましょう。
副業で毎週固定の講師の仕事などを入れてしまうと、ロングツアーに出られる回数がかなり減ります。
そうすると副業が本業の邪魔をすることになって、どちらも中途半端になってしまいます。
通訳案内士と相性のいい副業は一日単位や短期でで発生する単発のお仕事です。
例えば通訳やイベントの司会、ゲスト講師、などでしょう。しかしこれらのお仕事も副業と呼ぶにふさわしいかわかりません。それぞれに専門性が求められる仕事ですので兼業と呼んだ方がいいように思います。
また体が拘束されない仕事であれば無理なく兼業できます。
翻訳なども兼業可能ではありますが、締切が厳しいものは長期のツアーと重なると大変なことになりますので、あまり相性が良くはありません。
インバウンドのツアーには閑散期があります。閑散期の間は完全にオフにしてもいいですね。
またその時期に2~3か月はガイドをお休みして副業に専念するというのもありです。そうすれば収入も安定します。
全国通訳案内士は本業向き副業向き?
本業でも副業でもプロとしての品質を求められることに変わりはありません。
副業だからボランティア感覚で許されるものではありませんので、稼働していない時間も勉強することが大事です。
行ったことのない場所に行くのであれば下見も必要になるでしょう。
そう考えると、スキマ時間にちょっと副業という働き方にガイドが向いているかは疑問です。
本業であれば、この先何度もツアーで訪れることを考えれば下見をする時間や費用は無駄にはなりません。
スキマ時間に効率よく稼げるようになるには、下見も準備もしなくてもいきなりツアーが出来るぐらいの経験が必要になります。
副業というからには時間的な拘束が少ないだけではなく、作業的な負担や責任などの重さも考慮しないといけないと思います。
そうすると通訳案内士はかなりのエネルギーをつぎ込んで責任もある仕事ですので、副業としてはあまり向いていないと思います。
副業であれば、もっと気軽にできるものが沢山あると思います。
ただ現在はガイドの仕事も多岐にわたります。お客さんと飲み歩くだけというツアーもありますので、そういったものは副業向きかなと思います。
まとめ
通訳案内士の仕事にはそれなりに時間やエネルギーを注ぎ込まないとできません。
またお客様の都合に合わせることができないとなかなか仕事を受託できません。
そのため副業としてスキマ時間にだけガイドをしたいというのは簡単ではありません。不可能ではありませんが、少ないパイの中でいかに自分のポジションを探して行けるかが成功の秘訣です。
通訳案内士と相性のいい副業は、短期で出来るもの、ガイドの閑散期に出来るもの、体が拘束されないものです。そういったものをうまく組み合わせていけると収入アップや安定化につながります。