全国通訳案内士試験の一次筆記では5科目の試験に一度に合格しなければいけません。
準備も大変ですが、当日の体力的負担も大きいです。
しかし色々な方法で科目免除の制度が設けられています。
これを利用することで少しずつテストを受けることもできるので、気持ち的にも楽になります。
上手く使えば勉強の負担を軽減できますのでぜひ活用してください。
※2021年6月14日に今年の受験ガイドラインが発表になりましたが、今年も科目免除については大きな変更は無さそうです。
全国通訳案内士試験 科目免除制度概要
全国通訳案内士試験は1次が筆記試験、2次が口述試験(面接試験)となっています。
一次試験の2021年の日程は以下です。
試験科目 | 試験時間 |
---|---|
外国語 | 11:00-12:30(90分) |
日本地理 | 13:40-14:10(30分) |
日本歴史 | 14:40-15:10(30分) |
一般常識 | 15:40-16:00(20分) |
通訳案内の実務 | 16:30-16:50(20分) |
このように5科目の試験を1日で受験しなければいけませんので体力的にも大きな負担です。
コロナ対策だと思いますが試験時間は2021年度は大幅に短縮されました。
外国語は120分→90分
日本地理、日本歴史は40分→30分
それでも毎科目試験問題を配り回収してとやりますので、大幅な時間短縮にはなっていません。
将来的には2科目くっついてさらに時間短縮と言うのもあるかなと思っています。
また勉強の範囲も膨大ですの資格試験などで免除になる科目は積極的に利用したいところです。
全国通訳案内士試験科目免除の種類
科目免除には大きく分けて3種類あります
前年の試験で科目合格している場合
資格試験などを取得して免除になる場合
通訳案内士試験の合格者が他言語で受験する場合
全国通訳案内士を受験した場合、それぞれの科目で合格点に達していれば、科目合格になり翌年の同科目の受験が免除になります。
しかしこの前年合格による科目免除は翌年に限り有効ですのでご注意ください。
それに対し資格試験で免除になる場合は基本的に永久に有効です。
たとえば日本史検定2級に一度合格してしまえば、すっと日本歴史科目は免除となります。
ガイド試験の試験内容な良く変わりますし、難易度も一定ではありません。一回合格しても次回も合格点に度届く保証ありません。
そのため資格試験に合格しておく方が遠回りに見えて実は近道です。
全国通訳案内士試験合格者が他言語を受験する場合
語学以外の全科目免除
※通訳案内の実務について免除を受けるためには、通訳案内士法附則第3条第3項
に基づき観光庁長官が行う研修を修了していることを要する。
→観光庁研修の受講対象者で修了していない方は「通訳案内の実務」が免除になりません。
地域限定通訳案内士資格保有者が同言語の受験をする場合
外国語筆記試験免除
全国通訳案内士試験の外国語筆記試験免除の条件
英語
英検1級合格
英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会 (eiken.or.jp)
TOEIC L&R 900以上
TOEIC Speaking Test 160以上
TOEIC Writing Test 170以上
【公式】TOEIC Program|IIBC (iibc-global.org)
※TOEICは上記のいずれか一つで可能。公開テストのみ有効。次年度の試験まで有効。(2021年度試験の場合:2020.4.1以降に取得された得点)
フランス語
実用フランス語技能検定試験1級合格
仏検のAPEF | 公益財団法人フランス語教育振興協会 (apefdapf.org)
スペイン語
スペイン語技能検定1級合格
公益財団法人 日本スペイン協会 | SOCIEDAD HISPÁNICA DEL JAPÓN (casa-esp.com)
DELEのC1又はC2若しくはSuperiorに合格
DELEスペイン語検定について. セルバンテス文化センター東京. (cervantes.es)
ドイツ語
ドイツ語技能検定試験1級合格
HOME | ドイツ語技能検定試験 Diplom Deutsch in Japan (dokken.or.jp)
中国語
中国語検定試験1級合格
漢語水平考試HSK6級180点以上(旧HSK高等試験9級以上)
イタリア語
実用イタリア語検定試験1級合格
[伊検] 実用イタリア語検定試験|イタリア語検定協会 (iken.gr.jp)
韓国語
「ハングル」能力検定試験1級合格
韓国語能力試験(TOPIK)の6級に合格
ポルトガル語
免除なし
ロシア語
免除なし
タイ語
免除なし
日本語筆記科目の免除
日本地理
総合旅行業務取扱管理者試験又は国内旅行業務取扱管理者試験に合格した者
国内旅行業務取扱管理者試験|一般社団法人 全国旅行業協会(ANTA)
総合旅行業務取扱管理者試験|JATA (jata-net.or.jp)
日本歴史
歴史能力検定の日本史一級又は日本史二級に合格した者
大学入試センター試験の日本史Bについて60点以上を得た者(当該得点を得た試験の行われた日の属する年度又は当該年度の末日から起算して5年以内に実施される全国通訳案内士試験を受ける者に限る。)
一般常識
大学入試センター試験の現代社会について80点以上を得た者(当該得点を得た試験の行われた日の属する年度又は当該年度の末日から起算して5年以内に実施される全国通訳案内士試験を受ける者に限る。)
※2021年度から実施の大学入学共通テストでの科目免除はありません。
2021年度全国通訳案内士試験ガイドライン (mlit.go.jp)
一次試験科目が全て免除の場合は二次試験のみの受験になる
一次試験が全科目免除の場合は二次試験のみの受験となります。
私も最後は一次科目全免除で受験しました。
ただし2次試験で落ちた人全てが、翌年の1次試験免除になるわけではありません。
各科目の免除資格を満たしていなければ一次試験からやり直しとなります。
全国通訳案内士試験科目免除申請の注意点
科目免除を希望する場合には
免除申請をして添付書類を提出し認められないと科目免除にはなりません。
科目免除は一度申請すれば、または一度科目合格すれば翌年も自動的に免除になるわけではありませんのでご注意ください。
申請に必要な合格証や合格証明書などの取得や再発行には時間がかかる場合があります。
いざ通訳案内士試験に申し込もうと思った時に証明書類が間に合わないと免除申請できませんので、計画的に準備しましょう。
まとめ:全国通訳案内士試験では科目免除申請を有効活用することがおすすめ
全国通訳案内士試験は受験科目も多いため、膨大な勉強時間とともに受験当日の体力的、精神的負担も大きいです。
しかし各種資格での科目免除を目指していくことで力を分散できます。
年に一回の全国通訳案内士試験に不合格となると一からやり直しで、一年間悶々と勉強を続けることになります。
しかし別の資格を徐々に取得して行くことで一歩ずつ合格に近づいているという手ごたえを得ることが出来ます。
科目免除になればその分の勉強時間を他の勉強に使えますので、他の科目の合格率も上がります。
科目免除申請を上手く利用して厳しい全国通訳案内士試験を少しでも楽に乗り切りましょう!