全国通訳案内士試験の2022年度の試験実施要項が発表になりました。
おおむね昨年より大きな変更は無いようですが、受験希望の方は詳細を確認しておきましょう。
2022年度全国通訳案内士試験の日程
こちらがJNTOが2022年4月8日に発表した試験日程です。
◇官報公示 : 2022年4月下旬(予定)
◇施行要領公開 : 2022年5月中旬(予定)
◇願書受付 : 2022年6月1日(水)~7月11日(月)(予定)
◇筆記試験 : 2022年8月21日(日)(予定)
◇筆記試験合格発表: 2022年11月10日(木)(予定)
◇口述試験 : 2022年12月11日(日)(予定)
◇最終合格発表 : 2023年2月3日(金)(予定)
2020年、2021年とコロナ禍の影響で、日程が前後していましたし、なかなかギリギで予定が発表されませんでしたし、試験が実施されるかさえ分かりませんでした。しかし今年は日程の発表も早く行われました。おおむねコロナ以前の日程に戻るようです。
もちろん今後の流行でさらに変更になる可能性はありますが、早めに予定を立てられるのはありがたいですね。
願書の受付時期は6月頭から7月上旬の約40日ほどしかありませんので、ご注意ください。(昨年は7~8月でした)
欲を言えば1次試験の合格発表まで約3か月もかかり、1次結果発表から2次試験まで1か月しかないという状況を何とかしてほしいですね。
昨年は全言語マークシートを導入し、2か月で1次結果発表が出来たので、スケジュール的には可能なはずなのですが。
今後の改善に期待ですね。
参考までに昨年と一昨年のスケジュールも載せておきます。
◇官報公示 : 2021年7月14日
◇施行要領公開 : 2021年7月14日
◇願書受付 : 2021年 7月19日(月) ~ 8 月18日(水)
◇筆記試験 : 2021年 9月26 日(日)
◇筆記試験合格発表: 2021年 11 月11日(木)
◇口述試験 : 2021年 12月12日(日)
◇最終合格発表 : 2022年 2 月4日(金)
◇願書配付・受付: 2020年 6月 1日 (月) ~ 6月 24日(水)
◇筆記試験: 2020年 8月16日(日)
◇筆記試験合格発表: 2020年 11月 5日(木)
◇口述試験: 2020年 12月13日(日)
◇最終合格発表: 2021年 2月 5日(金)
2022年の通訳案内士試験のガイドライン概要
JNTO発表のガイドラインはこちらです↓
2022年度全国通訳案内試験ガイドライン (mlit.go.jp)
基本的に昨年からの変更は無いようです。
2021年度は以下の大きな変更がありました。2022年も同様の試験方式で行くようです。久々に受験する方はご注意ください。
2021年度からの変更点まとめ
一次試験の試験時間大幅短縮
英語以外の言語もマークシート方式に
二次試験以降のスケジュールはほぼ例年通り
紙ベースの願書は廃止で出願がオンラインのみとなった
受験票や合格は発表はオフィシャルHPのマイページから確認できる
科目免除については変更なし
2021年度から実施の大学入学共通テストでの科目免除は行わない
※大学入試センター試験の日本史で日本史免除、現代社会で一般常識免除は5年以内であれば有効
2021年度全国通訳案内士試験のガイドライン(www.jnto.go.jp)
全国通訳案内士試験受験料
11700円
※2ヶ国語受験は23400円
2021年よりクレジットカードとコンビニエンスストアでの支払いのみとなりましたので、受験料の他に数百円の手数料がかかります。
※2021年より変更ありません。
全国通訳案内士試験受験地
一次
札幌市、仙台市、東京近郊、名古屋市、大阪近郊、広島市、福岡市、沖縄県
※2021年度実施の無かった仙台、名古屋、広島が復活しました。海外の実施は引き続き休止です。
二次
東京近郊(英、中、韓のみ大阪近郊、福岡市もあり)
※2021年度実施の無かった福岡市が復活しました。
全国通訳案内士試験出願方法
インターネットのみ
※2021年度からオンラインベースでの出願のみとなりました。
2021年度全国通訳案内士試験の難易度と合格率
全国通訳案内士試験の難易度は高いです。
2021年度の全言語平均の合格率は9.1%です。
政府のガイド数を増やそうという政策で合格率が20%ほどになった時期もありましたが、ここ数年はまた10%以下で落ち着いています。
2021年度から全言語でマークシートが導入されました。それによって、難易度が下がるかなと思いましたが、依然最終合格率は10%以下の難関です。
ガイド資格の自由化と、コロナ禍での仕事の無さが相まって受験者数も大幅に減少しています。
しかしコロナが収束すればまた受験者数も増えてくるでしょう。
全国通訳案内士試験一次試験の内容
- 語学筆記試験 90分 マークシート
- 日本地理 30分 マークシート
- 日本史 30分 マークシート
- 一般常識 20分 マークシート
- 通訳案内の実務筆記試験 20分 マークシート
外国語筆記試験
外国語の筆記試験は2021年度から全言語マークシートになり、時間も120分から90分へ短縮されました。
それにより難易度が多少変わった言語もあるようですが、おおむね合格率に大きな変化はありませんので、難易度は変わらずと見ていいでしょう。
(1)試験方法 ・試験は、全国通訳案内士の業務を適切に行うために必要な読解力、日本文化等につい ての説明力、語彙 い 力等の総合的な外国語の能力を問うものとする。
出題する外国語は、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、 ポルトガル語、ロシア語、韓国語及びタイ語とする。
試験の方法は、多肢選択式(マークシート方式)とする。
試験時間は、90 分とする。
試験の満点は、100 点とする。
出題は概ね、外国語文の読解問題1題(配点 40 点程度)、外国語文和訳問題1題(20 点程度)、和文外国語訳問題1題(20 点程度)、外国語による説明(あるテーマ、用語 等について外国語で説明する)問題1題(20 点程度)を基準とする。
(2)合否判定 ・合否判定は、原則として 70 点を合格基準点として行う。
001408467.pdf (mlit.go.jp)
方式:マークシート
時間:90分
満点:100点
合格点:合否判定は、原則として 70 点を合格基準点として行う
日本地理筆記試験
日本地理は日本の観光地の知識を問われます。
日本地図はもちろんのこと、気候、山、湖、川、世界遺産、国立公園、温泉、祭り、名産品などの知識が必要です。
旅行会社の国内旅行のパンフレットなども勉強の参考になります。
(1)試験方法
試験は、外国人観光旅客が多く訪れている又は外国人観光旅客の評価が高い観光資源 に関連する日本地理についての主要な事柄(日本と世界との関わりを含む。)のうち、 外国人観光旅客の関心の強いものについての基礎的な知識を問うものとする。
試験の方法は、多肢選択式(マークシート方式)とする。
試験時間は、30 分とする。
試験の満点は、100 点とする。
問題の数は 30 問程度とする。
内容は、地図や写真を使った問題も含まれるものとする。
(2)合否判定
合否判定は、原則として 70 点を合格基準点として行う。
001408467.pdf (mlit.go.jp)
方式:マークシート
時間:30分
満点:100点
合格点:合否判定は、原則として 70 点を合格基準点として行う
日本歴史筆記試験
高校レベルの日本史の知識を問われます。
基本的な流れを抑えつつ、寺社仏閣、仏像、国宝、などの写真と名称、時代背景なども併せて覚えましょう。
(1)試験方法
試験は、外国人観光旅客が多く訪れている又は外国人観光旅客の評価が高い観光資源 に関連する日本歴史についての主要な事柄及び現在の日本人の生活、文化、価値観等 につながるような日本歴史についての主要な事柄(日本と世界との関わりを含む。)の うち、外国人観光旅客の関心の強いものについての基礎的な知識を問うものとする。
試験の方式は、多肢選択式(マークシート方式)とする。
試験時間は、30 分とする。
試験の満点は、100 点とする。
問題の数は、30 問程度とする。
内容は、地図や写真を使った問題も含まれるものとする。
(2)合否判定
合否判定は、原則として 70 点を合格基準点として行う。
001408467.pdf (mlit.go.jp)
方式:マークシート
時間:30分
満点:100点
合格点:合否判定は、原則として 70 点を合格基準点として行う
一般常識筆記試験
一般常識は幅広い知識を問われるので対策が難しいです。
日ごろから色々なことに関心をもって、ニュースや新聞などに目を通しておきましょう。
それと観光白書の外国人関連の項目には目を通しておきましょう。
(1)試験方法
試験は、現代の日本の産業、経済、政治及び文化についての主要な事柄(日本と世界 との関わりを含む。)のうち、外国人観光旅客の関心の強いものについての基礎的な知 識(例えば、試験実施年度の前年度に発行された「観光白書」のうち、外国人観光旅 客の誘客に効果的な主要施策及び旅行者の安全・安心確保に必要となる知識、並びに 新聞(一般紙)の 1 面等で大きく取り上げられた時事問題等)を問うものとする。
試験の方式は、多肢選択式(マークシート方式)とする。
試験時間は 20 分とする。
試験の満点は、50 点とする。
問題の数は、20 問程度とする。
(2)合否判定
合否判定は、原則として 30 点を合格基準点として行う。
001408467.pdf (mlit.go.jp)
方式:マークシート
時間:20分
満点:50点
合格点:合否判定は、原則として 30 点を合格基準点として行う
通訳案内の実務筆記試験
通訳案内士の仕事はガイディングだけではありません。
いわゆる添乗や接客、文化に関する知識も必要です。試験範囲は観光庁研修のテキストですので、これを読んで理解しておけば大丈夫です。
最新版が出ていないか念のため確認してください↓
通訳ガイド制度 | 国際観光 | 政策について | 観光庁 (mlit.go.jp)
(1)試験方法
試験は、通訳案内の現場において求められる基礎的な知識(例えば、旅行業法や通訳 案内士法等の業務と密接に関係する法令に関する基本的な内容や実際に通訳案内業 務に就くにあたっての訪日外国人旅行者の旅程の管理に関する基礎的な内容等)を問 うものとする。
本科目については、原則として、観光庁研修のテキストを試験範囲とする。
試験の方式は、多肢選択式(マークシート方式)とする。
試験時間は 20 分とする。
試験の満点は、50 点とする。
問題の数は、20 問程度とする。
(2)合否判定
合否判定は、原則として 30 点を合格基準点として行う
001408467.pdf (mlit.go.jp)
方式:マークシート
時間:20分
満点:50点
合格点:合否判定は、原則として 30 点を合格基準点として行う
二次口述試験
1次試験を全科目合格すると12月の2次試験へ進みます。
2次試験は面接試験です。
約10分の試験時間の間に面接官をお客さんとみなして全国通訳案内士として相応しい人材であるというアピールをする必要があります。
語学や観光の知識だけではなく外国人のお客様をもてなすホスピタリティがあるかも評価項目になっています。
(1)試験方法 ・試験は、総合的な外国語の能力並びに日本地理、日本歴史、一般常識及び通訳案内の 実務に係る正確な知識を活用して行われる、通訳案内の現場で必要とされるコミュニ ケーションを図るための実践的な能力について判定するものとする。
試験を受けることができる外国語は、受験者が筆記試験において選択したものと同一 のものとする。
試験は、外国人観光旅客が多く訪れている又は外国人観光旅客の評価が高い観光資源 に関連する地理、歴史並びに産業、経済、政治及び文化についての主要な事柄のうち、 外国人観光旅客の関心の強いものを題材として、受験者に通訳案内の業務を擬似的に 行わせることにより実施するものとする。
試験時間は、10 分程度とする。
終了者からの問題の漏洩を避けるため、当該時間帯の間、終了者を未受験者と別の部 屋に待機させ、通信機器を預かる等の措置を取るとともに、時間帯によって大きな差 が出ないように質問内容のレベルを合わせるなど、受験者間で不公平が生じないよう な方法とする。
内容は、試験委員が読み上げる日本語を外国語訳し、その問題文に関連した質疑を行 う「通訳案内の現場で必要となる知識等に関する外国語訳及び全国通訳案内士として 求められる対応に関する質疑」、提示される3つのテーマから受験者が1つを選び、外 国語で説明を行い、そのテーマについて試験委員と外国語で質疑応答を行う「プレゼ ンテーション問題」の2題とする。なお、「通訳案内の現場で必要となる知識等に関す る外国語訳及び全国通訳案内士として求められる対応に関する質疑」において、試験 委員が読み上げる問題内容については、メモを取ることを認める。
「通訳案内の現場で必要となる知識等に関する外国語訳及び全国通訳案内士として求 められる対応に関する質疑」については、試験委員に対して、受験者は全国通訳案内 士としての適切な受け答えをすること。
(2)合否判定 ・合否判定に当たっては、試験委員ごとに基準が大きく異なることがないよう、あらか じめ以下を含む評価項目について、具体的な評価基準を設定しておくものとする。
合否判定は、当該合格基準点(原則として7割)に達しているか否かを判定することに より行う。
評価項目
プレゼンテーション
コミュニケーション(臨機応変な対応力、会話継続への意欲等)
文法及び語彙
発音及び発声
ホスピタリティ(全国通訳案内士としての適切な受け答え等)
001408467.pdf (mlit.go.jp)
方式:面接
時間:約10分
合格点:当該合格基準点(原則として7割)に達しているか否かを判定することに より行う。