注目記事
インバウンド団体の国内フライト移動について団体券や個札券の違い【全国通訳案内士の知識】

みなさんこんにちは。

現役の通訳案内士の皆さんであれば国際空港での送迎は誰でも経験があると思います。

国際線に関しては以前はガイドや添乗員がお客様全員分の航空券とパスポートを持ってチェックインするという時代もありました。しかしセキュリティの強化された現在では個人でチェックインするのが基本です。

しかし国内線の場合は少し事情が異なります。

通常のインバウンドのツアーでは少しずつ観光地を見ながらバスや電車で移動して行くということが多いので、日本国内をお客さんと一緒に飛行機で移動するという経験がある人はあまり多くないのではないでしょうか。

しかし特別なツアーであればいきなり首都圏の観光地を飛ばして地方に飛んだりするということもあります。

そのなかでもなかなか出会うチャンスが少ないのが航空券の団体券です。

今回は航空機の団体券での移動についてお話しします。

団体旅行の航空券の種類

JAL団体航空券
団体航空券

電車と同じく航空券にも個札と団体券があります。

個札の場合は個別のe-ticketが発行されるので、そのチケットを使用して個別にチェックインをすることになります。つまり自分で航空機を利用する時とあまり変わりません。

しかし団体券の場合はe-ticketが一枚しかありませんので、一緒にチェックインを行うことになります。

チェックインはどこで行う?

大きな空港では航空会社のチェックインカウンターに団体窓口が用意されています。まずはそこに行ってみましょう。

ただしコロナ禍や時間帯によっては必ずしも団体窓口に人はいませんので、まずは近くにいる航空会社の方に団体であることを告げて、どこに行けばいいか確認するといいでしょう。

事前に航空会社とお話をしておくことで特別なカウンターを用意してくれることがあります。これはなかなかガイドでは難しいので旅行会社と航空会社の営業同士でお話をしていただく方がいいです。

事前にお話がついていなくても、当日現場で「30人の団体です」などと言うと別カウンターに案内されることもあります。

団体旅行のチェックイン搭乗券発券

個札での搭乗券発券は自動チェックイン機でチェックインをすることも可能です。

ただ自動チェックイン機で問題があった時にはガイドが手伝うことになりますが、全員をガイド一人が見るのは困難です。また問題が解決できない場合は結局有人カウンターに行くことになりますので、最初から有人カウンターに並んだ方がいいでしょう。

団体券であればガイドが搭乗券の発券についてはガイド一人でもできます。預け入れの荷物が無ければガイド一人でチェックインを済ませることも可能です。

ここで重要なのが団体券と一緒にネームリストを提示することです。これを忘れずに準備しておきます。

JAL団体搭乗券

団体券の搭乗券は人数分発券されますのでお客様に配って持っていていただきます。荷物を預ける場合は搭乗券を提示して預けることになりますが、搭乗券に名前は入りません。そのため団体内で割り当てられたどこの席に誰が座っても構いません。席の並び(窓側・通路)などは分かりずらいのでカウンターで確認しておきましょう。

代表者(ガイドや添乗員)の座る席はどこかを航空会社に知らせる必要があります。

チェックインバッゲージ受託手荷物の預け入れ

個札の場合は個人旅行のようにそれぞれが荷物を預け入れてチェックインすることもできるのですが、団体の場合は預け入れ手荷物の重量を団体内で融通することができます。そうすることで重量超過の代金を支払わなくてよくなります。重い荷物を持っていそうな人がいいる場合は団体として計算してもらいましょう。

例えば荷物の重量制限が一人23kg/個だとします。

Aさんの荷物が25kgだと通常は2kg分の超過量が発生します。

しかし同じグループのBさんの荷物が20kgしかなければ2人分の重量制限23x2=46kgとして計算してもらい、25+20=45kgとなります。

結果、制限重量内に収まりますので超過料金が発生はしません

このグループでの重量計算は個人の家族旅行などでも適用してくれることがありますので、もし重量が超過しそうになったらお願いしてみましょう。各航空会社の方針もありますので、必ずやってもらえるわけではありません。そのあたりはご了承下さい。

国際便の乗継(切り込み)がある場合

日本国内の航空券と国際線の航空券が紐づけて手配さていると、日本国内の移動の際にも、国際線の荷物制限が適用されることがあります。この国際線と紐づいている状態を「切込みが入っている」と言います。正確には他社の便と紐づいているときに言うようですが旅行業界用語です。

つまり23kgの荷物1個までの国内便と23kgの荷物2個までの国際便を乗り継ぐ場合、国際便の重量制限が適用になり、国内便でも2個まで無料となる場合があります。

ステータスについて

航空会社によって呼び方が違いますが、プレミアクラスなど高いステータスをお持ちのお客様もいます。

その方達は長い列に並ばせなくてもプレミアクラスなどのチェックインカウンターを使うことができるかもしれません。その場合数人のステータスが無い同行者も使うことができます。

またステータスの高いお客様は通常無料預入荷物が1個の場合でも2個目も無料になることがあります。

国内線にはエコノミーしかない路線もあります。しかし手配されている航空券がエコノミーでもプレミアステータスなどをお持ちの場合は荷物のルールが違う場合もありますので注意しましょう。

団体航空券のマイル加算はできる?

団体旅行と言っても色々な航空券を使うことがありますので一概には言えませんが、通常国内線で搭乗券に個人の名前が入らないタイプの団体券に関してはマイレージ加算は出来ません。

事後登録に登場者氏名と座席が一致していないとできないことからもわかります。

しかし制度の変更もあるかもしれませんので、念のため毎回チェックインの時にご確認することをお勧めします。

まとめ

インバウンドでも国内を飛行機で移動することがある。

個札券は個人で旅行する時とほぼ同じ。団体券は注意が必要。

いずれにしても団体窓口でチェックインするのがいい。

無料受託手荷物の重量はグループで合算できる。

航空券や航空会社のステータスによって受けられるサービスが異なるので注意。

以上参考になれば幸いです。

スポンサーリンク
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});
おすすめの記事